Discordで管理者権限を渡さずにモデレーターを任せる方法

書類にペンで書き込む手元の実写写真を背景に、「管理者を渡さず/運営を任せる」と記した記事見出し。
  • 運営を手伝ってくれる人に、とりあえず「管理者」を付けてよいのか迷っている
  • モデレーターにどの権限を付ければ、荒らしへの対処だけを任せられるのかわからない
  • 自分がいないあいだもサーバーを回せるように、権限を分けておきたい

Discordの「管理者」は、すべての権限を持ち、チャンネルごとの制限も通り抜ける権限です。

付けた相手は運営だけの非公開チャンネルもすべて読めて、自分より下のロールを自由に付け外しできます。

運営を手伝う人に必要なのは、たいてい荒らしへの対処と、ルールに反した書き込みの整理だけです。

その仕事に要る権限だけを集めたモデレーターのロールを作れば、「管理者」を渡さずに運営を任せられます。

この記事では、ロールの作り方、仕事ごとの権限の選び方、ロールの順番、付けないほうがよい権限、多要素認証の要件を順に説明します。

サーバーそのものを別の人に任せたいときに使う、所有権の移動の手順も最後に扱います。

目次
  1. 「管理者」を付ける前に知っておくこと
  2. 管理者でできてしまうこと
  3. 乗っ取られたときの被害が大きくなる
  4. 僕がBotに管理者を付けていた失敗
  5. モデレーター用のロールを作る
  6. 手順1:ロールを作成する
  7. 手順2:任せる仕事の権限だけオンにする
  8. 手順3:一般のロールより上に置く
  9. 手順4:任せる人に付けて試す
  10. 付けないほうがよい権限
  11. ロールの管理は権限を配る権限
  12. サーバー管理とウェブフックの管理
  13. 管理操作に多要素認証を求める
  14. サーバーごと任せるなら所有権を移す
  15. PCで所有権を移す
  16. スマホで所有権を移す
  17. 移したあとの自分の権限
  18. よくある質問
  19. まとめ:任せる管理作業だけをモデレーターのロールに集める

「管理者」を付ける前に知っておくこと

管理者とモデレーターのロールの比較図。管理者:すべての権限を持つ、非公開チャンネルも全部見える、タイムアウトされない。モデレーターのロール:任せる仕事の権限だけ、見える範囲をチャンネルで決める、自分より下の人にだけ対処できる。管理者とモデレーターのロールの比較図。管理者:すべての権限を持つ、非公開チャンネルも全部見える、タイムアウトされない。モデレーターのロール:任せる仕事の権限だけ、見える範囲をチャンネルで決める、自分より下の人にだけ対処できる。

「管理者」はロールの権限の「高度な権限」に並ぶ項目で、Discordの画面でも付与は危険だと注意書きが出ます。

持っている人は、ほかの権限のオンとオフに関係なく、サーバーでできることをすべてできます。

付ける前に知っておきたいのは次の3つです。

  • 管理者でできてしまうこと
  • 乗っ取られたときの被害が大きくなる
  • 僕がBotに管理者を付けていた失敗

管理者でできてしまうこと

「管理者」を持つ人には、チャンネルの権限で閲覧を止めても効果がありません。

運営だけのチャンネルも、所有者の個人的なメモ用チャンネルも見えます。

ロールの作成や削除、サーバー名や招待の設定の変更もでき、ほかのメンバーに「管理者」を付けることもできます。

タイムアウトも「管理者」を持つ人には使えないため、問題が起きたときに一時的に止める手段がありません。

乗っ取られたときの被害が大きくなる

権限は人ではなくアカウントに付きます。

「管理者」を持つアカウントが乗っ取られると、乗っ取った人がチャンネルやロールを消したり、荒らしのアカウントに権限を配ったりできてしまいます。

アカウントを守る設定は乗っ取り対策にまとめてあります。

僕がBotに管理者を付けていた失敗

僕は以前、自作Botに「管理者」を付けたまま運用していました。

乗っ取られずに済みましたが、Botのアカウントが乗っ取られていたら、サーバーで何でもできてしまう状態でした。

人に渡す権限だけでなく、Botに付ける権限も、任せる仕事の分だけに絞る必要があります。

僕のサーバーでは、BANを1人で実行できないように、運営の投票制にしています。

詳しくはBANを投票で決める記事で紹介しています。

モデレーター用のロールを作る

モデレーターのロールを用意する流れの図。1.ロールを作成する(名前はモデレーター)、2.仕事の権限だけオンにする(管理者はオフのまま)、3.一般のロールより上に置く(自分のロールより下)、4.任せる人に付ける(見え方を確かめる)。モデレーターのロールを用意する流れの図。1.ロールを作成する(名前はモデレーター)、2.仕事の権限だけオンにする(管理者はオフのまま)、3.一般のロールより上に置く(自分のロールより下)、4.任せる人に付ける(見え方を確かめる)。

モデレーターのロールは、ふつうのロールと同じ画面で作ります。

作れるのは、所有者と「ロールの管理」の権限を持つ人です。

ロールの基本的な作り方はロールの作り方で説明しています。

作成は次の4つの手順で進めます。

  1. ロールを作成する
  2. 任せる仕事の権限だけオンにする
  3. 一般のロールより上に置く
  4. 任せる人に付けて試す

手順1:ロールを作成する

PCで「サーバー設定」の「ロール」を開き、「ロールを作成」を押します。

名前は「モデレーター」のように役割がわかるものにし、メンバー一覧で見分けやすい色を付けます。

新しいロールは@everyoneの権限をひな形にして作られ、並びは@everyoneのすぐ上になります。

手順2:任せる仕事の権限だけオンにする

ロールの編集画面で「権限」タブを開き、任せる仕事に必要な項目だけをオンにします。

荒らしへの対処と書き込みの整理を任せるなら、次の権限で足ります。

「メッセージの管理」で他人の投稿を消し、「メンバーをタイムアウト」で一時的に止め、「メンバーをキック」と「メンバーをBAN」で外します。

「監査ログを表示」を加えると、誰がいつ何をしたかをモデレーター自身が確かめられます。

手順3:一般のロールより上に置く

キックやBAN、ニックネームの変更ができるのは、自分のいちばん上のロールより下にいる人に対してだけです。

「ロール」の一覧で、モデレーターのロールを一般メンバーのロールより上へドラッグします。

所有者や運営のまとめ役のロールは、さらにその上に置きます。

こうすると、モデレーターがまとめ役をキックやBANで外すことはできません。

手順4:任せる人に付けて試す

ロールの付け方はロールの付け方と同じです。

付けたあとは、所有者がロールの編集画面の「表示」タブにある「ロールとしてサーバーを表示」を使い、モデレーターに見える範囲と使える管理の項目を確かめます。

付けないほうがよい権限

モデレーターに付ける権限と付けない権限の比較図。付ける:メッセージの管理、メンバーをタイムアウト、メンバーをキック・BAN、監査ログを表示。付けない:管理者、ロールの管理、サーバー管理、ウェブフックの管理。モデレーターに付ける権限と付けない権限の比較図。付ける:メッセージの管理、メンバーをタイムアウト、メンバーをキック・BAN、監査ログを表示。付けない:管理者、ロールの管理、サーバー管理、ウェブフックの管理。

「管理者」以外にも、モデレーターに付けると「管理者」に近い力を持つ権限があります。

迷ったら、その権限で誰が何を変えられるようになるかで判断します。

注意したい権限と設定は次の3つです。

  • ロールの管理は権限を配る権限
  • サーバー管理とウェブフックの管理
  • 管理操作に多要素認証を求める

ロールの管理は権限を配る権限

「ロールの管理」を持つ人は、自分より下のロールを作ったり編集したりできます。

付けられるのは自分が持っている権限だけですが、BANの権限を持つモデレーターなら、BANできるロールを作ってほかの人に配れてしまいます。

ロールの付け外しは、所有者かまとめ役だけが行う形にしておきます。

サーバー管理とウェブフックの管理

「サーバー管理」があると、サーバー名やアイコン、招待の設定などを変えられます。

「ウェブフックの管理」があると、ウェブフックを作ってBotのような名前で投稿させることもできます。

どちらも荒らしへの対処には要らない権限です。

管理操作に多要素認証を求める

所有者は「安全設定」で「モデレーターアクションに二要素認証を要求する」をオンにできます。

オンにすると、多要素認証を設定していない運営は、キックやBAN、メッセージの削除のような管理操作ができなくなります。

設定の場所と手順は荒らし対策の設定で説明しています。

サーバーごと任せるなら所有権を移す

任せたい範囲で渡すものを決める図。「何を任せたい?」から分かれる。荒らしへの対処ならモデレーターのロール(管理者は付けない)。チャンネルの整理ならチャンネルの管理を足す(信頼できる人だけ)。サーバーごとなら所有権の移動(元の所有者はメンバーに残る)。任せたい範囲で渡すものを決める図。「何を任せたい?」から分かれる。荒らしへの対処ならモデレーターのロール(管理者は付けない)。チャンネルの整理ならチャンネルの管理を足す(信頼できる人だけ)。サーバーごとなら所有権の移動(元の所有者はメンバーに残る)。

自分が運営から離れるときに、残る人へ「管理者」を付けて終わりにすると、所有者のアカウントだけが使われないまま残ります。

サーバーそのものを引き継ぐなら、「管理者」ではなく所有権を移します。

移し方と移したあとのことを、次の3つに分けて説明します。

  • PCで所有権を移す
  • スマホで所有権を移す
  • 移したあとの自分の権限

PCで所有権を移す

「サーバー設定」の「メンバー」で、引き継ぐ人の名前を右クリックし、「所有権の移動」を押します。

確認の画面でトグルをオンにしてから「所有権の移動」を押すと、相手が新しい所有者になります。

自分のアカウントに多要素認証を設定しているなら、途中でコードの入力を求められます。

スマホで所有権を移す

「サーバー設定」の「メンバー」を開き、引き継ぐ人をタップして「所有権の移動」を選びます。

確認の画面で移動を押せば完了です。

移したあとの自分の権限

所有権を移したあとも、元の所有者はサーバーのメンバーとして残ります。

使える権限は、そのとき付いているロールで決まるので、手伝いを続けるならモデレーターのロールを付けてもらいます。

よくある質問

所有者は自分に「管理者」を付ける必要がありますか。

必要ありません。

所有者はロールに関係なくすべての権限を持っています。

所有者のロールは、メンバー一覧で目立たせたいときに色だけのロールとして作れば足ります。

「管理者」を付けた人をタイムアウトできますか。

できません。

タイムアウトは「管理者」を持つ人と所有者には適用できないため、まず「管理者」の付いたロールを外してから処置します。

モデレーターが一般メンバーをBANできません。

相手のいちばん上のロールが、モデレーターのロールと同じか上にあると処置できません。

「ロール」の一覧で並び順を見直し、モデレーターのロールを一般のロールより上に移します。

多要素認証の要件がオンなら、モデレーター自身の多要素認証も必要です。

まとめ:任せる管理作業だけをモデレーターのロールに集める

荒らしへの対処や投稿の整理を任せるために、管理者権限を渡す必要はありません。

削除、タイムアウト、キック、BANのうち、担当する作業の権限をモデレーター用ロールへ付けます。

ロールは一般メンバーより上に置き、ロール管理やサーバー管理まで必要かは別に判断します。

管理操作に多要素認証を求めているサーバーでは、担当者自身の設定も必要です。

任せる人へ付けたら、見えるチャンネルと使える管理項目を確認しましょう。

運営の手伝いではなくサーバーそのものを引き継ぐ場合は、管理者権限の付与ではなく所有権の移動を行います。